BMS(Biological Sciences and Medicine Studies Seminar)での発表

研究室の、Biological Sciences and Medicine Studies Seminar=生命論・医学論ゼミで一時間ほどで卒論の序論を検討していただくことになりました。他の友人2人の院試面接対策がおわってからで、彼ら彼女らの鋭さに刺激を受けたこともあり、気が引き締まりまった中での発表でした。

多くの方から、様々な角度のコメントを頂きました。中には、私の論文の致命的な欠陥の指摘も・・・そしてその欠陥を乗り越える指摘までもがありました。有難いことです。

序論には注釈が沢山付いているのでここに載せるのが大変です。目次と進捗状況だけ載せておきましょう。


小学校算数科の現代化の分析―「集合の考え」を用いた図形分野を中心に

目次
1. 序論
2. 現代化学習指導要領
2 - 1. 高度成長期という時代
2 - 2. 現代化学習指導要領の制定過程
2 - 3. 現代化学習指導要領の特徴
3. アメリカの学校数学研究会によるモデル教科書
3 - 1. 学校数学研究会が目指したもの
3 - 2. 集合論を用いた幾何の取扱い
3 - 3. 学校数学研究会の日本での受容
4. 啓林館発行教科書および指導書
4 - 1. 「集合の考え」が用いられた項目
4 - 2. 「集合の考え」を用いた図形分野
5. 現代化カリキュラムへの反応
5 - 1. 文部省の動向
5 - 2. 数学者・教育学者・教師の反応
5 - 3. 数学教育協議会による批判
6. 結論

途中経過
1. 大分練り直した。しかし、最後に全面的に書きなおすであろう。
2-1 資料読み込みが終わっていない。だいぶ昔に読んだだけ。
2-2. 本田(2009)を参照する。第一稿はできている。
2-3. 本田(2009)並びに、中島健三の諸論文、現代化学習指導要領そのものを参照する。ひと通り読み込んだが、まだ原稿は30%程度しかできていない。
3-1. Phillips (2011) を参照する。資料読みこみのみが終わっている。
3-2. 学校数学研究会の教科書を参照する。本当に簡単に記述する予定。
3-3. 教育課程審議会の議事録や、啓林館指導書、『数学教室』、『アメリカのSMSG』などを参照する。簡単に好評価→低評価へと変遷を遂げたことを簡単に記述したい。
4-1. 啓林館指導書にある、集合の考えを用いた項目リストを参照し、簡単に各項目の紹介をする。集合を明示的につかう必要でないことを主張する。教科書のコピーは、低学年のものがまだ手許にない。他はひと通り目を通した。
4-2. 練習問題が少なく、しかも洗練されていないことを主張する。何度か目を通したが、上手い論述の筋を組み立てられていない。
5-1. 本田(2009)の記述をベースにする。
5-2. 小平邦彦の発言や、『現代教育科学』の現代化失敗特集を参照する。
5-3. 上記の現代化失敗特集での銀林浩の発言ならびに、『数学教室』の各記事を参照する。『数学教室』の方は目を通せていないものが多い。
6. 教材が洗練されていなかったため、失敗したという結論にする予定。第一に、同時代の集合の教材をより洗練させるべきという証言、第二にある時期から数学教育に導入され受け入れられた分野(高校生への微積分、『原論』とは違ったスタイルの幾何教育など)ではよい教材が作られていたこと、この二種類を傍証とする。また余裕があれば、public understanding of science の一貫として算数教育を位置づけることにより、STS科学史と算数教育史を接続させる。